【2023年最新!】面接官間の評価一致を取り戻すための7つのアプローチ

選考プロセスは企業の成功に直結しており、その中心には面接が位置付けられています。しかしながら、面接官間での評価の一致が難しく、これが採用品質のムラや、優れた人材の見逃しといった問題を引き起こすことがあります。
本記事では、面接官間の評価の一致を取り戻すための7つのアプローチをご紹介します。これらの手法を適用することで、面接プロセスの効率性と公正性を高め、最終的にはより適切な人材を採用することが可能となります。

採用候補者の選定において、評価基準を明確化することが求められているが、その設定方法が分からない。

以下のことを試してみてください。

目次

1.評価基準の明確化

面接官全員が同じ評価基準を理解し、それに基づいて評価を行うことで、評価の一致を促進します。評価基準を明確にする方法は以下の通りです。

  • スキルと要件の特定
    評価すべきスキルと要件を明確に特定します。
    このスキルと要件は、役職の職務記述書に基づいているべきです。
  • SMART原則の使用
    評価基準を設定する際には、SMART(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-bound)の原則に従って具体的、測定可能、達成可能、関連性のある、時間制限のある目標を設定することが重要です。
  • 行動指標の使用
    評価基準は具体的な行動に基づくべきで、行動指標(Behaviorally Anchored Rating Scales, BARS)を使用することで、それぞれの評価レベルで期待される具体的な行動を示すことができます。
  • 構造化された評価シートの使用
    評価基準と行動指標を一覧にした評価シートを使用することで、面接官が評価を行う際に一貫性と公平性を保つことができます。
  • 面接官間の共有と討議
    評価基準は面接官全員に共有され、理解され、適用されるべきです。
    また、定期的な討議を通じて評価基準を見直し、更新することも重要です。

これらの方法を適用することで、評価基準は明確になり、評価の一貫性と公平性が向上します。

2.トレーニングの提供

面接官に対する定期的なトレーニングを行うことで、評価スキルを向上させ、一貫性を保つことができます。面接官に対する定期的なトレーニングで最適なものは、組織のニーズと面接官のスキルレベルによりますが、以下のようなトピックが含まれることが多いです。

  1. 評価基準の理解:
    面接官が評価基準を正しく理解し、適用することができるようにするためのトレーニングです。
  2. 行動ベースの面接技術:
    面接官が候補者の過去の行動や経験を通じて、その能力やスキルを正確に評価するための技術を習得します。
  3. バイアスの認識と軽減:
    面接官が自身の意識的、または無意識的なバイアスを認識し、それが評価に影響を与えるのを防ぐための方法を学びます。
  4. 法律と規制: 面接官が適用される雇用法や人権法に準拠して行動するための知識を得ます。
  5. フィードバックの提供: 面接官が建設的で有用なフィードバックを効果的に提供するための方法を学びます。

定期的なトレーニングと更新は、面接官が最新の評価技術とプラクティスを習得し、面接の質を維持する上で不可欠です。

3.役割分担

各面接官が評価する特定の領域を明確にすることで、全体的な評価のバランスを取り、一貫性を保つことができます。なお、面接官の役割は、評価すべき職務や能力、そして組織のニーズによって異なるかもしれませんが、一般的に以下のような領域に分けることができます。

  1. 技術的なスキルや知識
    特定の専門分野や技術的な能力を評価する役割。
    たとえば、エンジニアのポジションではプログラミングやシステム設計の知識を評価する面接官が必要です。
  2. ソフトスキル
    コミュニケーション能力、リーダーシップ、問題解決能力などのソフトスキルを評価する役割
  3. 文化適合性
    候補者が組織の文化や価値観に適合するかを評価する役割
  4. 行動と態度
    候補者のプロフェッショナルな態度や行動を評価する役割
  5. 潜在的な能力
    候補者が将来的に新しいスキルを学んだり、新しい役職に適応したりできるかを評価する役割

これらの領域を異なる面接官が担当することで、各面接官は自分の領域に専念し、より深い洞察を得ることができます。
そして全体として、よりバランスの取れた、包括的な評価が可能となります。

4.フィードバックの共有

面接官間で評価とフィードバックを共有し、互いの視点を理解することで、評価の一致を促進します。面接官間で評価の一致を促進するためには、以下のステップを踏むことが有効です。

  1. 共有の評価基準
    最初に、全ての面接官が共有の評価基準を理解し、それに従って評価を行うことが重要です。
    これは面接前のトレーニングや明確なガイドラインの提供により実現可能です。
  2. 面接後の討議
    面接後に全ての面接官が集まり、それぞれの評価と見解を共有する討議の時間を設けます。
    この時、全ての評価は匿名で、面接官同士が相互に影響を与えることなく評価を行った上で共有されます。
  3. フィードバックと調整
    討議の時間には、各面接官が自身の評価の根拠となる具体的な観察結果や証拠を提供し、他の面接官との間で意見や視点を交換します。これにより、面接官間での誤解やバイアスが明らかになり、評価の調整や修正が可能となります。
  4. 継続的なトレーニングとレビュー
    評価の一致は一度では達成できるものではありません。
    継続的なトレーニングとレビューを通じて、面接官の評価スキルを維持・向上させ、一貫性を確保します。

これらの手段を通じて、評価の透明性を保ちつつ、面接官間の一貫性と公平性を確保することが可能となります。

5.共同面接

2人以上の面接官が同時に面接を行うことで、互いの評価を直接比較し、調整する機会を提供します。

メリット

  • 即座のフィードバックとディスカッション
  • 一貫性と公平性の向上
  • 多角的な視点の獲得
  1. 即座のフィードバックとディスカッション
    複数の面接官が同じ場にいることで、面接終了後に即座にフィードバックや評価のディスカッションが行われます。
    これにより、面接官同士が候補者の評価を直接比較し、意見を交換する機会が生まれます。
  2. 一貫性と公平性の向上
    複数の面接官が同時に面接を行うことで、各面接官のバイアスや主観性を相互にチェックし合い、評価の一貫性と公平性を向上させることができます。
  3. 多角的な視点の獲得
    各面接官が異なる背景や視点を持っているため、候補者を多角的に評価することができます。これにより、より包括的な評価が得られます。

デメリット

  • 意見の調整の困難さ
  • 面接時間の延長
  • 面接官間の意見の不一致
  1. 意見の調整の困難さ
    複数の面接官が異なる評価基準や優先事項を持っている場合、意見の調整が困難になることがあります。
    面接官同士が異なる意見を持ちながら一致を図る必要があるため、時間と労力がかかる場合があります。
  2. 面接時間の延長
    複数の面接官が同時に面接を行うことで、面接の時間が延長される可能性があります。
    これはスケジュールの調整や候補者の負担に影響を与える可能性があります。
  3. 面接官間の意見の不一致
    複数の面接官が同時に面接を行っても、意見の不一致や評価の違いが生じることがあります。
    これは面接官の個人的な視点や評価スキルの違いによるものであり、一貫した評価を得るためには調整が必要となります。

6.評価ツールの使用

構造化された評価ツールを使用することで、一貫した評価基準とフレームワークを提供し、主観的なバイアスを減らすことができます。もう少し詳細に下記でご説明しますので、参考にしてみてください。

  • 一貫性の向上:
    構造化された評価ツールは、明確な評価基準と尺度を提供します。これにより、面接官が一貫性を持って候補者を評価することができます。主観的なバイアスや個人的な好みに基づく評価の影響を最小限に抑えることができます。
  • 客観性の確保:
    評価ツールには具体的な行動指標や評価項目が含まれており、面接官は候補者のパフォーマンスを客観的に評価する必要があります。これにより、主観的な意見や個人の感情に基づく評価が減少し、公平な評価が行われます。
  • 評価の比較と分析:
    構造化された評価ツールは、候補者間の評価の比較や優先順位付けを容易にします。
    複数の面接官が同じ評価基準を使用して評価を行うことで、異なる候補者を客観的に評価し、適切な意思決定を行うことができます。
  • フィードバックの具体化:
    評価ツールにはフィードバックの項目も含まれており、面接官は具体的なポジティブな要素や改善の必要な領域を指摘することができます。これにより、候補者に対してより具体的なフィードバックが提供され、成長と発展を促進することができます。

構造化された評価ツールは、主観性を減らし、一貫性と公平性を確保するために有用なツールです。組織は、適切な評価基準に基づいて評価ツールを作成し、面接官に提供することで、効果的な評価プロセスを確立することができます。

分析している画像
Man inspecting paperwork with magnifier. A business analysis concept.

7.定期的な評価会議

定期的に評価のミーティングを開催し、評価基準の適用方法や問題点について話し合うことで、評価の一貫性を維持することができます。評価のミーティングを定期的に開催する頻度は、組織の特定のニーズや評価サイクルによって異なります。一般的なガイドラインとしては、以下のポイントを考慮することが重要です。

  1. 組織の文化とペース
    組織の文化やペースに合わせて頻度を設定することが重要です。一部の組織では、評価ミーティングを毎月実施する一方で、他の組織では三か月に一度など、より長い間隔で開催する場合もあります。
  2. 評価サイクル
    組織が評価サイクルを持っている場合、評価ミーティングは通常、そのサイクルに合わせて定期的に開催されます。評価サイクルには年次評価やパフォーマンスレビューなどが含まれます。
  3. 重要なイベントや変更の時期
    人事制度や業績管理プロセスの変更、新しいプロジェクトや組織の戦略の開始など、重要なイベントや変更がある場合には、評価ミーティングを開催して情報共有や調整を行うことが適しています。
  4. フィードバックの必要性
    面接官間でフィードバックの提供や改善の機会が必要な場合には、より頻繁に評価ミーティングを開催することが有益です。

最終的な頻度は、組織の状況とニーズによって異なるため、組織内の関係者と協力して決定する必要があります。
また、評価ミーティングの頻度を柔軟に変更することも考慮に入れることが重要です。
定期的なフィードバックや評価のプロセス改善によって、評価ミーティングが組織の成果や個人の成長を促進するための効果的なツールとなります。

まとめ

本記事で説明した7つのアプローチは、面接官間の評価の一致を促進し、より効果的な人材採用を実現するための手法となります。組織内で一貫した評価を達成することは、公正性の確保とともに、優秀な人材の見逃しを防ぎ、組織全体の競争力を高める一助となります。
それぞれの組織が自身のニーズに最も適した手法を見つけ、適用することで、採用プロセスは進化し続け、組織はその成長と成功を続けることができます。

参照元:厚生労働省

複数の面接官で面接を行うと、人によって意見が異なる。

面接官に対してトレーニングを提供し、バイアスの認識と軽減策を学ばせることが重要です。また、面接官間のフィードバックやディスカッションを通じて、異なる視点を共有し合い、バイアスを相互にチェックし合うことも有効です。

複数の面接官と面接を行うと面接時間が押してしまう

この場合、スケジュールを事前に調整し、面接官同士の予定を調整することが重要です。
また、適切な時間枠を確保し、面接官間での評価やフィードバックの討議に十分な時間を設けることも重要です。

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm

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