現代の採用市場では、求職者が企業を選ぶ際に多くの情報を入手し、検討してから応募するという傾向があります。
そのため、企業側も求職者が何を求めているのかを正確に把握し、適切なアプローチを行うことが求められます。
ここでは、求職者の傾向や動向を把握するために有効な数字入り分析方法5選について紹介します。
応募者の傾向や動向を分析する方法が分からない。
以下のことを試してみましょう!
1.ウェブ解析
求人サイトや企業サイトに設置された解析ツールにより、求職者の訪問数、滞在時間、離脱率、応募フォームへの到達率などを把握することができます。例えば、応募フォームにアクセスした応募者のうち、何割が応募を完了したかを調べることができます。
また、応募者がWeb上で行ったアクション(応募ボタンをクリックした回数やエントリーシートの提出率)や、年齢・性別・居住地などの属性情報を収集し、分析することで、傾向や動向を知ることができます。
各項目の平均数値
- 訪問数: 約500件~1000件程度
- 滞在時間: 約1~2分程度
- 離脱率: 約80%~90%程度
- 応募フォームへの到達率: 約10%~20%程度
2.応募データの分析
求人広告の反応率や応募数を分析しましょう。応募者が提出した応募書類の中から、年齢、性別、居住地、学歴、職歴などの属性データを抽出し、分析することができます。
また、求人広告の掲載期間や配信媒体、タイトルやコピーの文言、応募フォームのフォーマットなど、求人情報の細かな要素を変えて実験を行い、その結果を分析することで、応募者の傾向や動向を把握することができます。
3.オンライン採用の場での面接や筆記試験のデータを分析する。
求職者の適性を見極めるために、面接や筆記試験のデータ収集は非常に重要なプロセスとなります。これらのデータは求職者の専門知識や技術的スキルを評価するだけでなく、その性格や対人関係能力、問題解決能力といった“ソフトスキル”の評価にも用いられます。
面接
求職者のコミュニケーションスキルやチームワーク、リーダーシップといった要素を評価することが可能です。また、面接者の質問に対する答え方や、状況対応のスキル、エチケットなども観察されます。面接は求職者のパーソナリティや価値観を深く理解する機会でもあります。
筆記試験
一方で、筆記試験は求職者の専門知識や論理的思考能力、情報処理能力などを数値で評価するのに役立ちます。
特に、標準化されたテストは、さまざまなバックグラウンドを持つ求職者を公平に比較する上で有効です。
これらのデータを集めることで、求職者の傾向や動向を理解し、それぞれが最も適していると考えられる業務や役職を特定することができます。また、これらの情報は組織内でのチーム編成や人材開発、更にはリーダーシップの形成にも活用できます。
したがって、面接や筆記試験のデータを活用した分析は、人材を最大限に活かし、組織全体のパフォーマンスを向上させるための強力なツールとなります。
4.SNSの分析
SNS上での反応数やコメント、シェアなどを把握することができます。
例えば、Twitterでの特定ハッシュタグの反応数やInstagramでのいいね!数を調べることができます。
企業の求人にまつわるSNSの反応については、業種や掲載するSNSの種類などによって異なりますが、一般的には以下のようなエンゲージメントが平均的だとされています。
各項目の平均値
- ツイート:いいね数が10件前後、リツイート数が2件前後
- Facebook投稿:いいね数が50件前後、シェア数が10件前後
- LinkedIn投稿:いいね数が10件前後、コメント数が1件前後
5.オンライン面接の録画データの分析
オンライン面接の録画データを分析することで、応募者の表情や反応、スピーチスタイル、口調などを把握することができます。以下に、分析するメリット・デメリットを記載しますのでぜひ導入の参考にしてください。
メリット
- 反復分析
録画データを再生して繰り返し視聴することで初回の面接では見逃した可能性のある要素を見つけ出すことができます。 - 一貫性の確保
録画を見直すことで、求職者全員に対して同じ基準で評価が行われ、公正さと透明性が保たれます。 - チームレビュー
複数の評価者が録画を見ることで、個々のバイアスを減らし、より公正な評価が可能になります。 - トレーニングとフィードバック
面接の過程を振り返り、面接技術の改善やフィードバックを提供する素材として使用することができます。
デメリット
- プライバシーの問題
録画データの取り扱いには、個人情報保護の観点から注意が必要です。データの安全性やプライバシーを保つための適切な手段が必要です。 - 選考基準の適用
録画データを分析するとき、面接官が一貫した基準を用いて評価することが重要です。しかし、その基準が適切に適用されない場合、不公正な評価につながる可能性があります。 - コミュニケーションの複雑性
録画の視覚的・聴覚的要素だけを分析すると、非言語的な情報やコミュニケーションのニュアンスが失われる可能性があります。 - 技術的な問題
ビデオ録画や再生の技術的な問題が発生する可能性があり、それが評価の公正性に影響を及ぼす可能性があります。
これらの要点を考慮に入れて、適切な対策を講じれば、オンライン面接の録画データの分析は非常に有益なツールとなるでしょう。
まとめ
求職者の傾向や動向を把握するためには、数字を用いた分析が不可欠です。本記事では、求職者傾向・動向を把握するための数字入り分析方法を5つご紹介しました。これらの分析方法を活用することで、求職者の傾向や動向を正確に把握することができます。
参照元:厚生労働省
- 採用担当者が、求職者の動向をチェックするのに適したアプリやサイトはありますか?
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求職者の動向をチェックするのに適したアプリやサイトとして、求人検索サイトやソーシャルメディアなどが挙げられます。求人検索サイトでは、求職者が投稿した求人情報を閲覧することができます。また、ソーシャルメディアでは、求職者のプロフィールや活動履歴を確認することができます。
- SNS経由の応募者が多いのですが、質が悪いです。
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求人内容の見直しをしましょう。応募者の質を向上させるためには、求人内容を見直すことが重要です。求めるスキルや経験、勤務条件や待遇、業務内容などを明確に伝え、応募者が求める情報を提供することが必要です。